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Excelの管理が限界?業務アプリにするか迷ったときの判断のしかた
顧客の一覧、案件の進み具合、予約、日報。多くの会社では、最初はExcel(表計算)で管理を始めます。手軽で、誰でも使えるからです。
ところが、事業が大きくなるにつれて「ファイルが重い」「どれが最新か分からない」といった困りごとが増えてきます。
この記事では、業務アプリ(その業務のための専用の仕組み)にするべきか、今のままでよいかを判断するための目安をまとめました。結論から言うと、判断の決め手は人数やデータの量よりも、「困りごとがどこで起きているか」です。
Excelのままでよいとき
まず、無理にアプリにする必要がないケースもあります。
- 使う人が1〜2人で、同時に編集することがない
- データの量が少なく、探すのに困っていない
- 管理のやり方が、しばらく大きく変わらない
こうした場合は、Excelの表の作り方や、ファイルの置き場所を整えるだけで、十分に困りごとが解消することがあります。
「同時に編集できない」は、共有のしかたで解決することも
Microsoft 365のExcelでは、OneDriveなどのクラウドに置いたファイルを、複数の人が同時に編集できます。Googleスプレッドシートも、同じように共同で編集できます。
ファイルを社内のパソコンや共有フォルダに置いたまま使っている場合は、置き場所を変えるだけで、待ち時間や上書きが減ることがあります。
あわせて、使っているExcelの版も確かめておきましょう。Office 2016とOffice 2019は、2025年10月14日にMicrosoftのサポートが終わりました。アプリは動きますが、安全のための更新は届きません。買い替えを考えるなら、管理のしかたを見直すよい機会です。
業務アプリを考えたほうがよい状態
置き場所や表を整えても、次のような状態が続いているなら、仕組みを見直すタイミングかもしれません。
どれが最新か分からない
「顧客一覧_最新」「顧客一覧_最新2」のように、ファイルが増えていきます。確認のたびに誰かに聞く必要がある状態は、手間と間違いのもとです。
同じ内容を何度も書き写している
問い合わせの内容を一覧に書き写し、見積もりに書き写し、請求書にまた書き写します。一度入れた情報を使い回せないと、手間もミスも増えます。
担当者しか分からない
関数や手順が複雑になり、作った人しか直せなくなります。その人が休んだり辞めたりすると、業務が止まってしまいます。
見せる範囲を、人によって分けたい
表計算のファイルは、開ける人には中身が全部見えてしまいます。シートを分けたり、パスワードをかけたりして、しのいでいる会社もあります。
たとえば保育園の園児の情報や、福祉の事業所の利用者の記録、クリニックの予約は、見る人を絞りたい情報です。誰が何を見られるかを決めたい場合は、仕組みにしたほうが管理しやすくなります。
毎月の集計に、決まって時間がかかる
月末に、いくつものファイルから数字を集めて、手で合計している。こうした作業が毎月同じように発生するなら、仕組みに任せられる部分です。
選択肢は「Excel」と「専用の開発」だけではない
Excelをやめるか続けるか、の二択で考える必要はありません。大きく分けて、次の3つの道があります。
- 表計算のまま整える:置き場所をクラウドに移す、入力の欄をそろえる、入力の決まりを作る。費用をほとんどかけずに始められます
- 既製のサービスを使う:顧客管理や予約管理など、目的ごとのクラウドのサービスがあります。画面を組み合わせて自分たちで作れるもの(ノーコードと呼ばれます)もあります。業務の流れをサービスに合わせられるなら、早く始められます
- 専用に作る:業務の流れが独特で、既製のサービスでは合わない部分が多いときに向いています。必要な画面だけを作れる一方で、作る期間と費用がかかります
既製のサービスを入れる場合は、国の「デジタル化・AI導入補助金」(IT導入補助金が、令和7年度の補正予算の事業から名前を変えたもの)の対象になることがあります。対象は事務局に登録されたツールに限られ、登録された販売会社などと一緒に申請します。条件は年度ごとに変わるので、公式の案内で確かめてください。
どれが合うかは、会社によって違います。「業務の流れを変えてもよいか」「どこまで自社に合わせたいか」を考えると、選びやすくなります。
いきなり全部を作らなくてよい
業務アプリと聞くと、大がかりな開発を想像されるかもしれません。ですが、一番困っている業務だけを仕組みにし、使いながら機能を足していく進め方もできます。
例えば、まずは顧客の一覧と対応の履歴だけを、複数の人が同時に使える形にする。そのうえで、必要になったら見積もりや請求の機能を足していく、という順番です。
移すときに、つまずきやすいところ
仕組みを変えるときは、次のような所でつまずくことがあります。先に知っておくと、避けやすくなります。
- データがそろっていない:同じ会社名が「株式会社」の有無で別々に入っているなど、表の中身がばらばらなまま移すと、新しい仕組みでも探しにくくなります。移す前に、表記をそろえる時間をとります
- 使う人の声を聞いていない:入力する人の手間が増えると、結局Excelに戻ってしまいます。毎日入力する人に、今のやり方を聞いてから決めます
- 忙しい時期に切り替える:年度末や繁忙期の切り替えは、現場の負担が大きくなります。保育園なら入園の手続きが重なる時期を避ける、といった配慮です
- うまくいったかの目安がない:「書き写しの時間を減らす」「最新のファイルを探さなくて済む」など、何が良くなれば成功かを先に決めておきます
しばらくはExcelと新しい仕組みを並べて使い、問題がないことを確かめてから切り替える方法もあります。
始める前に整理しておきたいこと
アプリにするかどうかを決める前に、次の4つを整理しておくと、相談がスムーズに進みます。
- 誰が、何のために使うか:入力する人と、見る人は同じか
- 今、どこで一番手間がかかっているか:書き写し、探す時間、確認の連絡など
- 今のデータがどこにあるか:Excel、紙、メール、LINEなど
- 見せる範囲を分けたい情報があるか:個人情報や、担当者だけが見るべき記録など
整理してみると、アプリを作らなくても、今のツールの使い方を変えるだけで解決する部分が見つかることもあります。
実際の画面で確かめたいときは
業務アプリでどんなことができるかは、文章だけでは想像しにくいものです。制作事例の業務アプリのページで、管理画面や仕組みの例を見られます。
まとめ
Excelの管理に限界を感じたら、まずは「どこで、どんな手間が起きているか」を整理するところから始めましょう。共有のしかたを変えるだけで済むこともあれば、既製のサービスや専用の仕組みが合うこともあります。仕組みにするべき部分だけを仕組みにするのが、無理のない進め方です。
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